《後編》「私が尊敬するのはその人の、能力ではなく生き方であって、知識ではなく行動なんです」峯村 昇吾 mar.(マール)テキスタイル

◎取材から約3年。今、峯村氏はアパレル企業の役員を務めています。

有言実行。インタビュー記事の発行から、具体的に好きなことを追い求めている姿勢は素敵です。

これからの更なる活躍を応援させて頂きます。

 

《後編》青山から上海へ。そして、起業という選択。20歳~30歳前半で突き抜けたい人へ。「いま、伝えたい想い」

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「mar.(マール)」テキスタイル 峯村 昇吾 様

1982年東京都生まれ。青山学院大学経済学部卒。
在学中は体育会サッカー部に所属し、サッカー漬けの毎日を送る。大学卒業後、どうせやるなら好きな事で自分自身を磨きたいと、服を扱う繊維専門商社に入社。そこでテキスタイルの企画開発に携わり、素材の世界の奥深さを知る。「大切な人に、こんな素材の服を着て欲しい」。そんな想いを抱き自身のブランド「mar.(マール)」を2016年春夏に立ち上げる。アパレル業界における流通をイノベーションし、日本産の優れた素材を世に出すべく動いている。大量生産のパラダイムから抜け出し、ストーリーを持った素材によって流行りや気分によって左右されない本物の定番品を生み出していく。
また、日本のものづくりのものがたりを伝える「セコリ百景」というメディアで、アパレルのいまを伝えるコラムも連載。

 

◆すごい素敵なブランドですね?

まだ原料の打ち合わせをしている段階なので、商品のリリースは今年(2016年)の夏頃を予定しています。カットソーと言われるTシャツやパーカーを出す予定ですが、最高品質のオーガニックを原料に、日本の技術を積み重ねてモノづくりをすることで、これからの責任のある着かたを体現していきます。多くの服を消費し、色々な経験を経て辿り着いた価値観。僕のブランド(mar.)の商品はそんな流行りや気分によって左右されない本物を、究極のシンプルでカタチにしていきます。オフの日を自然でココロが気持ちよく過ごせるような、そこに寄り添う服でありたいと考えています。

僕の服で世界中の人を幸せにしたい、なんて考えてなくて。ただ、自分の大事な人に着て欲しい。それだけです。

 

 

◆でも安定した企業からの起業って、怖くはなかったですか?

正直怖いです。しかも僕、基本的に仕事全然出来ないですからね(笑)。
でも、自分の人生なのに、つまらないオヤジになっていくのって嫌じゃないですか?単純な話。僕の場合、先が見えない不安とかじゃなくて、先が見えてしまうことが嫌だったんです。大学の部活の後輩が、お金とか関係なく夢を目標と捉えてサッカー選手で海外に挑戦している姿を見たとき、自分は間違ってなかったと思えました。最高に格好良い後輩です。

◆仕事をする上で、大事にしている軸って何ですか?


恥ずかしい感情を捨てて行動すること、だと思っています。成功とは成功するまでやり続けることで、失敗とは成功するまでやり続けないことだ。って言葉を聞いたことあると思いますが、本当にその通りだと思っています。なんかこの類の言葉は結構一人歩きしていて、ちょっと身近じゃなくなっていますけどね。でも本当に成功するまでやるだけ。ただ、痛い目にもあうし、恥もかくと思います。これを気にしなければいいだけ。例えば、もし一度話を聞いてみたい起業家の人がいたら、Facebook上で直接メッセージを送っちゃえばいいだけです。もし無視されても、何人かに連絡すればきっと誰かは返信くれて会ってくれる人がいるはずです。若手から出会いがないって良く耳にしますが、出会いは掴みにいっちゃえばいいんです。スタバで働いている様なナチュラルな人がタイプだなー、と思ったらシンプルにお店にいって、アクションを起こしてみる。「一目惚れしました、メールください」って紙に書いてメッセージ渡してみるとか。10人トライしてだめだった、諦めよう・・・じゃなくて、100人、1,000人にアプローチすればいいだけの話、成功するまで。10,000人に渡せばきっと1人は付き合うとこまでいけそうじゃないですか?極端な話ですけど、でも僕は実際にやりました(笑)。やっぱり恥ずかしいって感情とか、いわゆるメンタルだけだとおもいます。

プライドとか本当に邪魔でしかないです。森鴎外の言葉で、「私が尊敬するのはその人の、能力ではなく生き方であって、知識ではなく行動なんです」という言葉があります。

恥ずかしい感情はマジで無駄です。もしその恥を捨てた行動で結果が出なくても、残るのは行動したことによる自信と、笑話にできる思い出ですから(笑)。

◆サッカーとビジネスの共通することって何だと思いますか?

わかりません(笑)。ただ、「喜び」を味わう為に、毎日目の前のことに真剣に取り組む本気で取り組むことだと思います。は共通して言えるかもしれませんね。
仲の良い友達とカフェで話をしたり、会社の同期と飲みに行ったり、学生時代のメンバーとスノボに行ったり、これはどれも楽しいですよね。でも、喜びとは違うとは思います。正月の箱根駅伝で優勝した時の選手や監督の気持ちは、楽しいではなく間違いなく「喜び」です。楽しいなんて言葉では収まらない感情ですよね。真剣に取り組めば取り組むほど、人生の抑揚の幅は大きくなると思っていて、それが僕の中ではサッカーでした。だからこそ学生の時の部活仲間は今でもずっと繋がっています。仕事で僕はまだそこまでの「喜び」を体験できていませんが、そのくらい真剣に取り組んでいきます。

◆最後に後輩に一言

一貫してお伝えしたいのですが、僕はとにかくバカで仕事ができません。

だからこそ、とにかく行動しかないと思ってます。

行動しなかったら終わり、もう廃人確定です。あとは多くを吸収する素直な気持ちはマストで必要です。日産のCMで、えいちゃんが言っていることが全て。ぜひ自分の働き方、暮らし方、生き方を自分でデザインして欲しいと思います。

2種類の人間がいる。やりたいことやっちゃう人とやらない人。やりたいことやってきたこの人生。おかげで痛い目にもあってきた。
散々恥もかいてきた。誰かの言うことを素直に聞いてりゃ、
今よりずっと楽だったかもしれない。でもね、これだけは言える。
やりたいことやっちゃう人生のほうが、間違いなく面白い。